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Did you know that approximately 80% of jeans are not worn beyond the first 1 year after purchase due to damages or change of personal fashion style? As you may know, this results in a huge amount of clothing wastes which contain valuable resources; the price of raw materials has been getting higher every year.

Taking this issue into account, an Amsterdam jeans startup company “MUD Jeans” reached the belief:

“Do we need to own jeans at all?”

World’s First “Circular Economy Jeans” Launched

MUD Jeans was established by Bert van Son in 2012 and their unique jeans leasing system was started in 2013. Based on the circular leasing concept, their jeans are designed to be easily recycled at their factory in the end. For instance, they use printed / painted labels instead of traditional leather labels, which makes their products fit for use by vegan communities. (1)

Furthermore, their recycling program accepts all jeans regardless of the brand as long as they are made of over 96% cotton. By donating a pair of old jeans to MUD Jeans, the customer can get 10% discount to purchase new jeans. The old pair will be recycled to produce new jeans and denim jacket, or sold as vintage, depending on the condition of the jeans.

(Founder, Bert van Son)

All the used jeans gathered are sent to their recycling factory in Spain. There they tear up used jeans into fibres and mix them with new certified organic cotton fibres which are directly, fairly traded from farmers in Burkina Faso. At the beginning of MUD Jeans’ business, their jeans contained just 10-20% recycled cotton, however, as of November 2018, their jeans are made of up to 40% recycled cotton. Bert van Son explains that it is also possible to produce jeans from 100% recycled denims in the near future.

(1) It is estimated that approximately 8 – 10% of population in Western Europe is vegan/vegetarian, and this creates a certain market.

Leasing A Jeans

MUD Jeans’ leasing system promotes the return of the jeans, which stimulates the recycling process and enables MUD Jeans to achieve a zero waste jeans cycle.

Furthermore, this recycling system ensures MUD Jeans has continuous access to materials for its production regardless of sudden price increase of raw materials.

The consumer can lease a jeans for a period of one year with a one-time membership fee of €29 and a monthly fee of €7.50. After one year, the customer can choose if:

1) he/she prefers to own the jeans, or

2) he/she would prefer to exchange them for another new pair and continue leasing.

According to Dion Vijgeboom (Production / Purchase / Product Manager of MUD Jeans), 80% of people choose to keep leasing as MUD Jeans encourages to meet their zero waste, circular economy concept. Hitherto, MUD Jeans has sold 80,000 pairs of jeans, of which 33,000 jeans have been returned so far.

Advantage of “Circular Economy Jeans”

Dion Vijgeboom explains: “We all are aware of the fact that we will be experiencing a lack of resources if we continue the way we consume our natural resources today. Therefore, we highly believe that we need alternative business models based on the philosophy of circular economy because it contributes to preserving our planet. With the circular business model, we can reuse valuable raw materials again and again and reduce the amount of wastes significantly. Moreover, it enables us to sell sustainable products at a relatively stable price since we don’t need to purchase raw materials every time we produce new products.”

Transparent Business Model

Bert van Son says that they have nothing to hide in their business model and every process is transparent to customers.

Once jeans are returned to be recycled, they are sent back to the cooperative partner “Royo” in Spain, where the recycling, as well as the weaving and dyeing process take place. Then, new fabrics are sent to Tunisia (Yousstex International) where they are stitched and washed.

More information about their supply chain is accessible on their website.

Next Step

MUD Jeans is currently using Cradle-to-Cradle certified indigo from “Dystar”. However, they have been developing other environmentally friendly, more efficient indigo dyeing technology called “Form dyeing” developed by Royo in Spain.

Today, MUD Jeans is purchasable in around 30 countries (leasing is only available in Europe) and will start selling their first jeans in Japan in January 2019 as a first market in Asia.

MUD Jeans: mudjeans.eu

Interviewed, Written & Directed by Akihiro Yasui

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近年ヨーロッパでは「資源を採掘し、加工・販売、廃棄する」という従来の経済活動とは異なる循環型の「サーキュラー・エコノミー」が注目を集めています。

その理由の一つはサーキュラー・エコノミーでは「新しい資源を採掘する代わりに、すでにあるものを資源として何度も活用する」ため、廃棄物の量を抑えつつも資源を効果的に活用することで、環境と経済成長の両面でメリットがあると見込まれているからです。

例えば、「従来の生産・消費方法のビジネスモデルでは資源は減少し価格は上昇を続け、環境と経済の両面から危機に陥る」と判断したアムステルダム市は、行政として循環型のサーキュラー・エコノミー型ビジネスモデルを支援する取り組みを始めています。

参照:アムステルダム市 2050年プラン「サーキュラー・エコノミー」全文

 

ヨーロッパで見られるサーキュラー・エコノミー型ビジネスモデルの一例です。

・(製造業として)資源が最終的に廃棄される代わりに自社で回収を行い、再び製品にリサイクルするビジネスモデル

例) 「使用済みジーンズの返却率80%」のMUD Jeans(マッド・ジーンズ)/ 全てのパーツが交換・リサイクル可能な「エシカルスマートフォン」のFairphone(フェアフォン)

 

・新しい資源を調達する代わりに、廃棄されるモノを「資源」としたビジネスモデル

例) 「廃棄食品レストラン」Instock(インストック)/ 「賞味期限切れ食品だけを販売するスタートアップ」SirPlus(サープラス)/ 「難民のライフジャケットでPCケースを製造する」Makers Unite(メーカーズ・ユナイト)

 

・社会的に活用されていないモノを共有するビジネスモデル

例) Airbnb / 「相乗りプラットフォーム」BlaBlaCar(ブラブラカー)

 

・社会的に活躍できていない人材を適職に雇用するビジネスモデル

例) 「ホームレス・バリスタが活躍するコーヒーショップ」Change Please /「ホームレスが主役の新しい働き方」Street Debater(ストリート・ディベーター)

 

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アムステルダムに拠点を構えるスタートアップ MUD Jeans(マッド・ジーンズ)は世界初の「サーキュラーエコノミー・ジーンズ」の企業です。2012年にバード・ファン・ソン(Bert van Son)氏が創業しました。マッド・ジーンズは当時直面していたコットンの急激な価格高騰から、「従来の常に新しい資源の購入に頼ったビジネスモデルでは先がない」と見込みました。

そこで、自社の経済活動にも自然環境にもメリットがあると導入されたのがサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルです。顧客から使用されなくなったジーンズの返却を促す仕組みを作り、自社のジーンズ生産に使われるコットンのリサイクル率を高めていくことで、新しい資源の購入に頼らないビジネスモデルを立てようと試みたのです。

それが「購入をする代わりに、リースをするジーンズ」の始まりでした。

リース・ジーンズと「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」

マッド・ジーンズの調べによると、約80%のジーンズはダメージやファッションスタイル変化等の理由から購入から一年が経過すると使用されなくなり、処分されているそうです。廃棄される衣類には当然まだ再利用できる多くの資源が含まれています。

『せっかく数万円もするジーンズなのに1年しか履かれないのなら、そもそも購入して「所有」する必要はないんじゃないか?』

こう考えた創業者のバード・ファン・ソン氏は、アムステルダムで進められていた他の活動にヒントを得て、当時世界でも前例のなかったリサイクルのために返却を促す「リース制ジーンズ」のビジネスモデルにメリットを見出します。

(創業者のバード・ファン・ソン氏)

2013年から始まったマッド・ジーンズのリース制はこういった仕組みです。初めに登録料として29ユーロ(約3,500円)を支払い、月々7,50ユーロ(約800円)でリースを行います。一年間のリース期間終了後には2つのオプションから選ぶことができます。

  1. 古いジーンズを新しいものと交換し、さらにリースを続ける。
  2. 古いジーンズをそのまま引き取り、自分のものにする。

これまでの統計では、80%の利用者は一年間のリース期間後に1. の「新しいジーンズと交換し、リースを継続する」選択をしているそうです。廃棄される代わりにリサイクルに活用したい自社ビジネスと環境の両面から、マッド・ジーンズも1. のオプションを勧めています。これまでに約10,000本のジーンズがリースされ、8,000本が返却されリサイクルされています。

顧客の返却を促進するため、ジーンズを返却した顧客には10%の割引きクーポンを発行します。そのため、リースだけではなく通常販売をした製品も含めこれまで顧客に渡った80,000本のうち33,000本がリターンされる高い返却率を達成しています。また、このリサイクルプログラムは素材の96%以上にコットンが使用されていることを条件に他のメーカーのジーンズも受け付けています。

デザイン・製造する段階から取り組む「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」

マッド・ジーンズの製品は最終的に、顧客によって廃棄されるのではなく「自社でリサイクルすること」を念頭に置いてデザインされています。そのため、チャック部にはファスナーよりも長持ちし、再利用も可能なボタンが使用されています。

また、リサイクルが難しい後部の革製ラベルを使用する代わりに、プリント技術を応用したラベルが使われています。革のラベルを使用しないことで、動物性製品の購入を控える菜食者(ベジタリアン・ヴィーガン)のコミュニティにも受け入れられる製品になっています。(西ヨーロッパの菜食者の割合は人口のおよそ10%とも言われており、一つのマーケットとして捉えられています。)

マッド・ジーンズが創業した当初はまだリサイクルで回収した資源が少なかったため、ジーンズ生産に使われたコットンのわずか10%ほどがリサイクルされたものでした。2018年現在では、返却によって回収できた素材も増え、ジーンズのおよそ40%が再利用したコットンから製造されています。

バード・ファン・ソン氏はこう言います。

『数年のうちにリサイクルコットン100%でできたジーンズも製造できる予定だよ。本当の意味での「循環型ジーンズ」だね。』

「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」のメリット

マッド・ジーンズで製造・購買・生産の担当を務めるディオン・ファハボーン(Dion Vijgeboom)氏はサーキュラーエコノミー型ビジネスのメリットについてこう話します。

ディオン・ファハボーン氏『このまま従来の生産・消費方法を続けていたら、資源は枯渇し価格は上昇していく一方なのは誰の目にも明らかさ。だから、これまでの経済活動とは違ったサーキュラーエコノミーに基づいたビジネスモデルがこれからは必要なんだ。

サーキュラーエコノミーの「資源を廃棄する代わりに回収し、何度も活用する」モデルはただ環境にいいだけでなく、自分たちのビジネスにも大きなメリットがあるんだ。

何かを生産する度に新しい資源を購入する必要がないから、突然の価格上昇や取引き先のシャットダウンが起こっても、自社のビジネスモデルで再活用できる資源でビジネスが継続できるんだ。同じ資源を何度も使う分、本来は価格が高くなりがちなオーガニックやフェアトレードの高品質の製品も価格を抑えて提供ができる消費者へのメリットもあるね。』

 

欧州で進むビジネスの「透明化」

ヨーロッパではスタートアップやエシカル銀行を中心として、企業が生産者の雇用条件や労働環境、賃金、サプライヤー情報、投資先等の企業情報を全面公開する「ビジネスの透明化」が進んでいます。

その理由の一つは、アムステルダムの研究機関FairFood(フェアフード)が食品業界で進めているように、今後ブロックチェーン技術の導入によりビジネスの透明化が必須になると予想されているからです。現在公表が求められていない情報も公開が義務化され、例えば、不法な賃金で雇用した労働者に製造された製品や、不正なルートで入手された資源は将来的に使用できなくなると予想されているのです。

創業者のバード・ファン・ソン氏が「私たちのビジネスには隠す必要がある情報が一切ありません。」と言うように、マッド・ジーンズでもホームページ上で取引先の会社や工場の情報が公開されています。

サプライチェーンの情報も公開されており、例えばリサイクル用に返却されたジーンズは全てスペインのパートナー企業「ローヨ(Royo)」に集積され、細かく裁断され一度コットン繊維に戻されています。そして、提携するブルキナファソの農園から直接フェアトレード(ダイレクト・トレード)で購入したオーガニックコットンの繊維と混ぜられ、再びジーンズ用に紡績された生地はインディゴ(藍)で染められます。ジーンズへの加工はチュニジアの工場Yousstex Internationalで行われています。

マッド・ジーンズの今後

ディオン・ファハボーン氏『現在マッド・ジーンズで使われているインディゴはDystarという企業から購入した「Cradle-to-Cradle認証」を取得した環境に負荷の少ない染料なんだ。けど、もう少ししたらさらに環境への負荷も染色コストも抑えられる新しい技術を導入する予定だよ。

スペインのパートナー企業ローヨ(Royo)が開発した乾燥藍を使った染色技術でForm Dyeingと言う技術なんだ。これは革命的だね。

従来の染色は10-12回繰り返して藍を染める工程が必要だったんだけど、このForm Dyeingでは水もいらずにたった一回で染色ができるんだ。時間もコストも大分抑えられる見込みだよ。』

 

マッド・ジーンズは現在世界約30ヶ国で販売されており、2019年1月にアジアで初めての市場として日本での販売開始を予定している。(リース制はヨーロッパ圏のみ)

MUD Jeans: mudjeans.eu

Interviewed, Written & Directed by Akihiro Yasui